2023 1007

 今日は仕事だった。平日の車内を満たしていた人達はいない。2人掛けの電車に1人で座って、その横に荷物を置いても気にならない程に人がいなかった。締め切りがあった案件がバラシになって、緊張を欠いたまま午前中は流れるように過ぎていった。正午になって、いつも通り会社を出て100mほど歩いて公園に行く。公園を一望できる木陰のベンチに先客がいた。2番目に気に入っている背もたれのあるベンチで弁当箱を開けた。公園の中央、藤棚の下の腰かけに高校生が屯していた。見れば、散髪をしていた。相手の首にクロスを巻き、霧吹きと鋏を手にしていた。しばらくして「施術」が終わったのか、クロスを外しインナー1枚で水道の方に来て髪を流していた。濡れた髪で、「あざっす。」とクロスと霧吹きを片付けている方に言った。高校生達が駅の方に去って行き、開けた視界の先、木陰のベンチにいた先客がいなくなっていた。そちらに移動する。高校生達と入れ替わるように、昨日みた犬二匹が飼い主を変えてやって来た。リードを持つ若者は昨日見た女性の家族だと思う。昨日と同じように、公園を広く半周し、鉄棒のある辺りで2匹を遊ばせていた。2匹は、ほたえて声をあげていた。ベンチで横になったまま犬と飼い主を見つめた。木陰だと寒いだろうと思い鞄に入れてきたスウェットが役に立った。