2023 0614

昼休み、いつもの公園で昼食をとった。今日は、気に入っているベンチが空いていなかったから、他のベンチに腰を下ろした。空は、いつ降り出してもおかしくない天気だった。サラダを食べはじめた時に、降り始めた。まだ傘を差すほどでも無かったし、何よりベンチを離れたくなかった。それから少しして、水滴が葉を打ち始めた。サラダを中途半端に残して会社のデスクに戻りたくなかった。不本意ながらタッパーを傾けて口にかきこんだ。何かに対して時間をかけて取り組むことを「味わう」とかいったりする。だとしたら、こうして急いで飯をかき込んで食べることを「味わう」と言うことは不可能なのか。そういう言葉遊び的なことを思っていた時に、急に玉ねぎの甘みが口の中に伝わってきた。その玉葱は父親が自らの畑で作ったもので、収穫したものを弁当に使っている。ほんの1週間前は、玉葱特有の辛みがあった。収穫して置いていたものが徐々に熟して今日の甘さになったのだと思う。急いで食べたけれど、甘みという変化に気づいたという点で今日の昼食を「味わった」と言える。