2023 0903

高校2年生の春、O先生と初めて会った。非常勤の体育教師として学校に入り、僕の前には部活の顧問として現れた。新卒だったから22,3歳で、その時の先生の年齢と並んだと思うと、自らの餓鬼臭さを感じずにはいられない。そのO先生が結婚した。今日は、卒業生がお祝いに集まっていた。僕は、行けなかったし行かなかった。その時間は、散髪をしていた。センターパートにも飽きていていたから、クロップという髪型にしようと思いマスターに相談した。「いきなりやるとビックリするよ」と言われた。折衷案として、刈り上げの範囲を広げ、長さを短くしたセンターパートが仕上がった。散髪をすると、溜まっていたものが流れる思いがする。昔、誰かに「毒が溜まってるから、ゲソの先の方は食べたらダメだ」と教えられた覚えがある。科学的に本当にそうなのか調べたことはないし、ゲソは先の方まで食べる。実生活で何も発揮していない記憶だ。けれど、髪を切って何か新鮮さを取り戻した気がした時、「毛先に生活の澱が溜まっていて、それを切ったからだ。」と素朴にもそう思った。