2023 0705

 消防士数人が防火設備の点検に来た。消防車に乗って数人がやって来た。経理の女の人が、「消防士とだけは結婚したらあかんって結婚する前によく言われました。」「浮気するからです。」「消防士って非番の日は家にいるんで。」と言っていた。

 

「しかしそれにもかかわらず、この苦悶に悩むのはほとんど一つの享楽だった。非常に長いあいだ、私は盲目的に活気なくはい歩き、私の心は沈黙し、貧しくなってすみっこにうずくまっていたので、この自己弾劾や戦慄やいとわしい感情も、精神にとっては歓迎された。その中にはなんといっても、感情があり、炎が燃え上がり、心臓が鼓動していた。私は思い乱れながら、みじめさのただ中で、解放と春のようなあるものを感じていた。」『デミアンヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳 p,112