2023 0428

①朝、母親が駅まで車で送ってくれた。自宅から駅までは1キロほど下りが続く。車も行き交うし、自転車もなかなかのスピードで駅に向かって刺すように走り抜けていく。信号待ちで助手席の車窓から歩道の往来を見ていた。ヘルメットを被って徐行運転をする自転車の人を見た。「ヘルメット被ってるな。安全やな。あの人のお父さんがこの光景見たら、ホッとするやろうな。」と母に言った。

母「若い人じゃなかったな。なんか自転車も最近乗れるようになった感じやし。」

後ろ姿は若者らしかったけれど、正面から見た風貌は40そこらだと思う。

「いや、安全の為やろ。あっそういうことか!最近乗れるようになったからヘルメット被ってるんか。」

それを言い切って、途端に奥の方からこみ上げてくるものがあった。彼女が仕事終わりか休日といった時間の合間を縫って自転車の練習していたと思う他なかったからだ。その時にそうとしか思えなくて、目が熱くなった。母が「(彼女が)これまでとは全く違う景色が見えてると思うで」と言ったのも趣があった。

 

②自分の置かれた状況を言葉で捉える営みと、単なる感情の吐露は全く違う。