2023 0821

 「それは六組にいた時分、つまりこの学校での最初の学期が終わりかけるころのことだった。敏感な気質は、思いがけなぬきたならしい生活の打撃を受けて、なお疼きつづけていたのだ。魂はダブリンの街の鈍重な印象にかき乱され、弱らされていた。彼は二年間の夢想の時期から姿をあらわして、新しい情景の真只中に生きていた。あらゆる出来事あらゆる人物が、ひどく身近に作用し、心を傷つけたり魅惑したりして、魅惑しようともあるいは心を傷つけようとも、いずれにせよ、いつも不安と苦い思いとで彼の心をみたした。学校生活の余暇はみな、既成の権威を破壊しようとする作家たちの本を読むことでついやされ、彼らの言葉の嘲笑と荒ら荒らしさとは、脳のなかで発酵してから彼の未熟な文章に変った。」

                                   『若い藝術家の肖像』ジェイムズ・ジョイス  丸山才一訳 p,148

 

「しかし同級生たちはそう簡単に気分を直さなかった。そのことについて授業が進んでから誰も話をしなかったけれど、みんなが漠然と悪意のこもった喜びにひたっていることが感じとれた。」                                                                                          同書p150

 

昨日、Aesopで買ったMoroccan Neroil Shaving Serumをボールにワンプッシュして、濡らしたブラシで泡立て髭を剃った。