2023 0308

 折坂悠太の「心理」というアルバムを聴いてユンスルという言葉を知った。「윤슬(ユンスル)」は韓国固有の言葉で、「日光や月光に反射して光る波」のことを指している。この説明だと、あくまで主体は光の方では無くて光に反射して光る「波」の方だ。もう少し叙情性を失わずに、ユンスルを捉えたい。川端康成の「葬式の名人」を読んでいて、「水面に躍っている朝日が遙かな私に照り返って眩暈を催させるのであるような気がした。」という記述を見かけた。この「躍っている」はユンスルの説明に使えそうだ。「水面に光を躍らせている波」や「光と躍る波」と言えば、「日光や月光に反射して光る波」と言うよりも、叙情性に富んでいるように思う。