2023 0302

インターネット上で確定申告ができる「etax」なるものがある。利用するにはマイナンバーカードが必要だけれど、パスワードを忘れてしまって使えなかった。住民票のある地域の役所でパスワードの再設定をして、ロックを解除する必要がある。パスワードを忘れてロックされたのは今回がはじめてでは無い。これで2度目だ。

 etaxが使えるようになったらすぐにでも提出できるように、紙のほうで計算をしておくことにした。記入例と説明を見ながら進めたが、これでいいのか分からなくなってきた。判断がつかないまま「まぁ大丈夫だろう」という稚拙に余裕をかましてやろうとした。あとで、ちゃんとしておけば良かったと自分のことが嫌いになるのが目に見えていたので、隣町の支所に聞きに行くことにした。 

 声の通る、マスクをとったら鼻毛がはみ出ているだろう初老の方が対応してくれた。「ここはこう書きます。基礎控除は48万です。この金額は何ですか。なるほど、これでいいです。」と驚くべき早さで問題が片付いた。分かっている人に聞きにいくのが1番はやい。 

etaxの利用に失敗し、支所の人に聞きに行って解決するまで一連の流れを書いていて、「はじめての老い」という記事を思い出した。 

 

 「妻は、頑なにフリック入力をしないんですよ、キーをバババと連続して打つ。そのほうが早いし、フリック入力いらんし。わかる。わかるよ。カメラ買いました、オートフォーカスうざいし、マニュアルでいいでしょ、その方が早いし、正確やし。わかる。でもね、それもまた「老化」の階段を登る第一歩なのかもしれまへんで。どう考えても「こっちの方が便利やし早いやろ!」という態度ね。ここらあたりに「ほんとにそう!」と「ついていけない、老化」の境目があるように思えてきました。つまり「新しい技術」「新しい環境」に対して、対応できないんじゃなくて、「そんなんいらんし」と採用しない仕草。これがいつのまにやら「新しい技術に対応できないじいさん」を生み出すということかもしれませんよ。ここ、非常に面白いポイントだと思います。」 

 

                      「はじめての老い」 伊藤ガビン 

  https://note.com/itogabin/n/nb6228da261de?magazine_key=mfadfc4b35ea7 

 

 「イータックスとか、必要ない。」と決め込んでやろうかと思ったけれど、1度は採用してみようと思う。