2023 1024

 寝返りを打って、仰向けになる。ブラインドの隙間が白かった。起床時間まで、もう少しあるから身体の向きを変えて、寝る体勢になろうと布団の中で動く。右腕の肘から先がグニャグニャになっていることに、気づいたのはその時だった。何度か動かそうと試みるが、言うことを聞かない。橈骨の周りが暖かいゼリーで覆われていて、それが肘を支点にグルグルうねる。動かそうとするのを辞めると、腹の上に落ちてそのままだった。腹に腕を置いたまま静かにした。すぐに、肘が鼓動を始めて、徐々に鼓動が薄くなって消えていき、血や必要なものが肘から先に周り出す。それと、並行して腕の感覚が戻ってきた。自分の肉体へのイメージが揺らいだ。腕の心配よりも、会社に行かなくていいと真っ先に浮かんだ自分を思った。