2023 0225

近頃、散歩へと気持ちが向くようになってきた。たぶん、身体の方が先だって春を感じているからだと思う。夕方に行くことが多い。コースはいつも同じだ。今住んでいるところから歩いて10分ほどの海を目指して、歩を進める。音楽を聴きながら歩こうと携帯を持ち出そうと思ったけれど、ソファに置いてユニクロのフリースを羽織って外に出た。海までの道中には、川がある。その川岸を歩く。梅の花の香りがした。鼻はその匂いを覚えていても、その匂いの正体が何であるかを思い出せないことがよくある。その香りが、梅のそれだと分かるまでラグがあった。潮騒が近くに感じられる距離まで来た。アスファルトの道が終わって砂地に変わった。波に濡れたテトラポットが、アシカの群れみたいだった。帰り道、子どもの頃に世界中の川の名前をノートに書いていたことを思いだした。「書き写す」という行為自体に、快楽が感じるのは今でもそうだ。明日は、久しぶりにアルバイトに行く。